百々目鬼 (妖怪事典)

妖怪画家ヨハクが油絵具で描いた目が沢山ついている腕を持つ百々目鬼の妖怪イラスト 妖怪手帖
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洋伯(よはく)
洋伯(よはく)

こんにちは、存在しないモノを描いている妖怪、洋伯(よはく)です。

私は普段、存在しないモノをキャラクター化したり見たことのない世界を創ったりしています。

今回は目が沢山ついている妖怪、百々目鬼どどめきついて調べてみました。

漫画地獄先生ぬ~べ~で見たのを覚えていますが、詳しく知らない妖怪です。

妖怪百々目鬼どどめきの話

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妖怪百々目鬼のイラスト / 油彩 / 洋伯(よはく)

烏山石燕とりやませきえん先生の『今昔画図続百鬼こんじゃくがずぞくひゃっき』によるとこの妖怪百々目鬼について次のように記載があります。

以下現代語に訳して解説を入れてみました。

函関外史かんかんがいしという箱根の関所せきしょあたりの出来事を書いた奇書(架空の本とされている)に書いてあることには、

ある女は生まれつき腕が長かったので、いつも人のお金を盗んでいました。

(日本の俗語に「手長てなが」という言葉がありますが、これは盗み癖のある人のことを指します。)

洋伯(よはく)
洋伯(よはく)

因みに英語のスラングでは盗み癖のある人をSticky Fingers (粘着性のある指)と言います。

女は文字通り、腕も長く盗み癖もあったので二重の意味で手長でした。

しかしある時女に奇妙なことが起こったといいます。

女が盗んだお金が女の腕に張り付き、張り付いたお金は鳥の目に変わったのです。

これは鳥目ちょうもくのせいです。

(日本の古い貨幣は中央に四角い穴が開いており、これを鳥目ちょうもくと呼んでいました。)

女は沢山のお金を盗んでいたので沢山の目が腕に出来てしまったのです。

この妖怪を名付けて百々目鬼どどめきという。

函関外史かんかんがいしは函関以外(箱根から先という意味)のことも書いてある奇書です。

一説にはどどめきという地名が東都にあるらしい。

以上訳終わり

洋伯(よはく)
洋伯(よはく)

昔の話には多いですがなんかダジャレのような話です。

実は昔は”見立て”というダジャレみたいな遊びが知識人の間で流行っていたので

実際ダジャレなのでしょう。

実は東の都にこの妖怪に似た名前の地名があり、その地名は 百目鬼どうめきという。

どうやら栃木県の日光二荒山神社ふたらさんじんじゃの北側に全身に百の目を持つ鬼、百目鬼がいたと言われていたようで、二荒山神社の北側一帯を百目鬼と呼んでいたようです。

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妖怪百目鬼のイラスト / デジタル画 / 洋伯(よはく)

洋伯(よはく)
洋伯(よはく)

グーグルマップでは山しかなく地名は確認できませんでした。

興味深いことにこの百目鬼という鬼を退治した際に弱った鬼が女に化けたという話があるようです。

栃木県の二荒山神社といえば妖怪化け灯籠も有名ですね。

妖怪化け灯籠についてもっと見る(妖怪事典)

まとめ

昔の貨幣には穴が開いておりそれを鳥の目に見立てて鳥目ちょうもくと呼んでいました。

烏山石燕先生の描いた今昔画図続百鬼には盗み癖のある女の腕にお金が張り付いて妖怪百々目鬼になっと記述があります。

おそらく百々目鬼どどめきは鳥山石燕先生が百目鬼どうめきを元に作った妖怪なのではないかと個人的な思います。

この妖怪百々目鬼の話は盗みを働いた女性がこの妖怪になったということで、なにか教訓を込めたような話なのでしょうか。

というのも女が人の金は盗んでいたが、妖怪化した後に何か悪さをしたという話はないからです。

洋伯(よはく)
洋伯(よはく)

なんだか腕に沢山目があったらぶつけて痛そうです。

記事/イラスト: 洋伯(よはく)

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