
こんにちは、妖怪画家のヨハクです!
私は普段妖怪や和のモチーフで絵やイラストを描いています。
今回は頭の後ろにも口のある妖怪、二口女について調べてみました。
妖怪二口女とは
この妖怪二口女については日本各地にいろいろな話があるようですが、共通しているのは後頭部に大きな口があって、その口が喋ったり食べ物を食べるということです。

この二口女は、山姥、鬼女、蜘蛛などが変化した妖怪であるという話や、後頭部に皮膚病や怪我をしてそれが口になったという話があるようです。
二口女は『絵本百物語』に登場する妖怪で、どうやらこれがすべての二口女の物語の元になっていると言われています。
絵本百物語の妖怪二口女の話
昔、千葉に一人の女性がいました。
彼女は夫との間に子供をもうけましたが、夫の前妻との間の子供もいました。
女は自分の子供ばかりを可愛がり、前妻の子供にはあまり食べ物を与えずに、ある時ついに前妻の子供は餓死してしまったのだといいます。
子供の死から49日後、あることが起こります。
(仏教では死後49日目に閻魔大王が、仏になって浄土へ行くか地獄へ行くかを判断すると言われています。)
女の家で薪を割っていた男が、通りかかった女の後頭部にたまたま斧を当ててしまい、頭が割れてしまいました。
命に別状はなかったのですが、その傷は日を追って姿を変えていきました。
なんと剥き出しの頭蓋骨は歯の形になり、肉片は唇と舌の形になってしまいました。
不思議なことに口の様になった傷はいつもある時刻になると痛み出し、女がなぜそうしたのかは分からないですが、その傷に食べ物を与えると痛みは止まったといいます。
そして食べ物を食べた後の口の様な形をした傷は次のように話し出しました。
“私は私の思い違いから先妻の子を殺してしまった。間違いだった。間違いだった。”
昔は今ほど食べ物がなかったので日本各地に子供を殺して減らした話が残っています。
仏教には「業」という考え方がありますが、そのような理不尽な方法で殺された子供の魂が女に憑依し、女の口から謝罪の言葉を言わせることが許されていたのでしょうか、、、、、。

悪いことをすれば自分に返ってくる。
この物語はそういう道徳的なことを言おうとしているのだと思います。
二口女の髪が動く理由
この上記した物語では二口女の髪が動くという表現はありませんが、多くのマンガやアニメでこの妖怪二口女が現れたときに自在に髪を操っている様子が描かれています。
これはなぜでしょうか。
それはどうやら物語を書いた作者と妖怪のイラストを描いた人が違っていたからのようです。
イラストを描いた人が髪の毛が蛇のように動く妖怪と混同して、二口女の物語と合体して髪を箸のように使って後頭部の口で食べ物を食べている妖怪のイラストを描いてしまったからだそうです。
因みにその混同してしまった妖怪の話は以下の通りです。
ある女が前妻の子供を餓死させるというところまでは上記の話と同じなのですが、女は子供を餓死させたあとに自分の子供を産むのですが、なんとその子供は後頭部に口があり、その口が蛇のように毛を伸ばして、”何か食べたい”と言っています。
女は何日も食べ物を与えずに子供を苦しめましたが、よく考えると恐ろしいのは彼女の子供に対する行いであった。
という話です。
違う話とはいえ、いずれも悲しい道徳的な意味合いを持ってます。
上記した2つの物語とその挿絵を元に、これら妖怪の特徴だけが独り歩きして様々な物語の登場人物として登場するようになったようです。
実は二口女という同じ名前の妖怪が登場する話は他にもあるのですが、個人的には何となく広まっている話と違うような感じがするので、ここではあえて紹介しないことにします。
まとめ
妖怪二口女は、単純に”妖怪”という感じではなく、子供の霊が取り付いた母親の姿を妖怪としたものです。
夫の連れ子を餓死させた母親に復讐するべく、連れ子が霊となって母親の頭に傷をつけて、そこに取り付いて恨みの言葉をしゃべっています。
また似たような話で夫の連れ子を餓死させた後に自分が産んだ子の後頭部に口があり、その口が蛇のように毛を伸ばして、”何か食べたい”と言う話があります。
この話と混同して現在漫画やイラストなどでよく見る髪を箸のようにつかってものを食べる二口女のビジュアルが完成したようです。

妖怪イラスト、ブログ / 妖怪画家ヨハク (YOHAKU Yokai Art)



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