付喪神という妖怪、化け草履

こんにちは、存在しないモノを描いている妖怪、洋伯(よはく)です。
私は普段、存在しないモノをキャラクター化したり見たことのない世界を創ったりしています。
昔の日本では、人間に長く使われたモノは魂を得て妖怪になるものだと考えていたらしいのですが、
この様なモノが化けたタイプの妖怪を付喪神と言います。

昔は年が変わった年始に年神という神様がやってくると考えられていたのですが、古いモノを置いておくとその年神がモノに宿って付喪神になるとされていました。
※地方によっては年神のことをお歳徳(とんど)さんと呼ぶのですが、正月に行うどんど焼きはこのとんどさんが空に帰るのを見送って無病息災を願うものです。
なのでこの妖怪化け草履もモノが化けた付喪神と言えます。
化け草履の見た目について

この妖怪の名前は知らなくとも、化け草履の絵やイラストなどは見たことがある人が多いと思います。
というのも河童やアマビエほどではありませんが、世界中のアーティストがこの妖怪化け草履を描いているからです。
意外にも世界的に有名な妖怪化け草履ですが、面白いことに昔の文献や妖怪絵巻などにこの化け草履や似た妖怪の絵は見当たりません。

私はこの妖怪化け草履は、ゲゲゲの鬼太郎で有名な水木しげる先生の創作なのだろうと考えています。

私が描いた化け草履も水木先生が作ったデザインを参考に描いてみました。
見たことがある化け草履のデザインの多くは水木先生のデザインのものだと思います。
化け草履の元となった妖怪話
水木しげる先生の『日本妖怪大全』に、以下の様な妖怪化け草履の話がありました。
昔、履物を大事にしない家があった。
ある晩、その家の召し使いが一人でいると、
”カラリン、コロリン、カンコロリン、まなぐ三、 まなぐ三つに歯二ん枚”
”カラリン、コロリン、カンコロリン”は下駄の歩く音。
“まなぐ三つ” は目が三つ、
(東北の方言で”まなぐ”は目の意味)
”歯二ん枚” は二枚の歯
(下駄は二枚の歯がついている)
この奇妙な歌が毎晩続いたので召し使いは主人にそのことを話し、二人でその正体を見てみようということになった。
翌日、主人と召使が部屋で待っていると、あの歌が聞こえてきます。
二人が戸の隙間から覗くと、化け草履が主人がいつも履物を投げ捨てている物置の隅に入っていくのを見たのだという。
妖怪 化け草履とは一体?

まず”化け草履”とは言っていますが、歌の内容を考えると”化け下駄”なのだと思います。

村上健司先生の妖怪事典では”ハキモノノバケモノ”とされています。
個人的にはこっちのほうがカッコイイと思います。
おそらく化け草履は、道徳を教えるために創作された妖怪だと個人的には思います。
日本では古くからアニミズム的な考え方が広く信じられてきました。
すべてのものに魂が宿っていると考えるのです。
その影響を受けたかどうかはわかりませんが、日本では物を大切に扱うようにと教育されてきました。
村上健司先生も妖怪事典で述べているように、この妖怪は履物が化けて出たという話ではなく、親が子供のしつけのために言い聞かせるものだったのだろう、ということです。
大人としては何も怖くはないが、子供からしたら靴から手足が生えて歌いながら歩き回っていたらとても怖いに違いないでしょう。
最近の化け草履を考えてみた
昔は下駄や草履を履いていたので、化け草履という妖怪になりました。
しかし現在では草履よりも革靴やサンダル、スニーカーなどが一般的になっています。
またモノを大事にするという道徳的な話から、壊れやすい靴の使い方をしているスケートボード関連で妖怪を考えてみました。


まぁスーパースターではスケートボードはしませんが、好きなスニーカーなので描いてみました。
まとめ
妖怪化け草履は、モノに年神がやどって妖怪化する付喪神の一種だと考えられます。
妖怪化け草履は、その名前を知らなくても絵を見たことあるくらい世界中で人気の妖怪です。
しかし昔の絵巻物や文献には化け草履やそれに似た妖怪の姿はなく、化け草履のデザインに関しては水木しげる先生によるものだと私は考えています。
また村上健司先生の妖怪事典では”ハキモノノバケモノ”としていて、子供などにモノを大事にするように作った話なのではないかとしています。

個人的には自分が使っているモノが動き出したら楽しいので動いてほしいです。
記事/イラスト: 洋伯(よはく)



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