妖怪化ばけ灯籠とうろうとは
こんにちは、妖怪画家のヨハクです!
私は普段妖怪や和のモチーフで絵やイラストを描いています。
今回は人を惑わす妖怪、化け灯籠についてのお話です。
妖怪化け灯籠とは読んで字のごとく、人を化かす灯籠の妖怪です。
灯籠とは電気がなかったころ主流だった昔の街灯のようなもので、提灯(携帯用のあかり)や行灯(室内用のあかり)とならんで昔の夜を照らした明かりです。
火の光はゆらゆら揺れていてなんか良いですよね。
何となく妖怪の絵巻物などで化け草履や、琵琶や木魚など手に持ったり動かせるものが妖怪化しているイメージでしたが、灯籠は重いし地面からは動かせなさそうです。
そういった点も含めて化け灯籠とは一体どういった妖怪なのだろうか、と疑問に思ったので調べて見にいってみました。
妖怪化け灯籠の話
昔、ある男が参拝するために日光東照宮に向かっていました。
よく知っている場所だったので迷うはずがないのですが、不思議なことに男は山中で迷ってしまったのだといいます。
男は狐や狸、もしくは妖怪の類に化かされているのではないかと立ち止まり辺りを見回しました。
すると道沿いに古い灯籠を発見して、男はこの灯籠が男を化かしている正体だと思いました。
というのもどうやら古い灯籠は魂を得て人を化かす力を得ると考えられていたようです。
付喪神の類なのでしょうか。
妖怪化け灯籠はよく人を化かして物を二重に見えさしたりするらしいですが、落ち着いて見れば騙されないのだといいます。
もしかしたら山中の灯籠なので、ひだる神のように原因は低血糖によって意識が朦朧とした結果幻が見えているのかもしれないと私は思いました。
二荒山神社の化け灯籠の話
上記の妖怪化け灯籠は日光の話でしたが、こちらも日光のとある神社にある灯籠の話です。
この化け灯籠の話は、鎌倉時代に日光二荒山神社に奉納された銅製の灯籠についてのものです。
この灯籠に火をつけると、火が勢いよく燃えてすぐに消えてしまったり、火をつけると物が二重に見えたり、灯籠そのもの自体の形が変わったりと、不思議な現象が起こると言われていました。
何度やっても不可思議な現象が起きたので、怪しんだ者たちが毎晩のようにこの妖怪化け灯籠を刀で切りつけたのだといいます。
何度も切りつけると怪奇は収まったようなのですが、実はその刀の切り傷のついている化け灯籠が実在していて今も日光二荒山神社に残っています。
刀傷から見ると本当に化けたのでしょうか、、、。
実際に行って写真を撮ってきました。
確かに刀を当てたような跡がありました。
夜に見てみたいですね。
日光二荒山神社について
二荒山神社は古来より信仰されてきた霊峰男体山(二荒山)を御神体山とし天応2(782)年に男体山の山頂にお祀りしたのを始まりとする。
二荒を音読みして『ニコウ』、これに現在使われている『日光』の字をあてて読みはニッコウ、すなわち日光という地名の語源となっている。
男体山の山頂に奥宮、中禅寺湖畔に中宮祠、 東照宮西奥に本社の三社が鎮座する。 御祭神は二荒山大神で、 主祭神 大己貴命、 妃神田心姫命、御子神 味耜高彦
根命の親子三柱をお祀りする。
境内地は、華厳の滝、 いろは坂、 日光連山等が含まれ日光国立公園の中枢をなし、
その広さは約3,400ヘクタールにも及ぶ。
二荒山神社の本社、 別宮、 神橋等国の重要文化財 23 棟の建造物が、 平成 11 (1999)年に東照宮、 輪王寺とともに 『日光の社寺」 として世界遺産に登録された。
(説明は神社内の看板から転用しています。)
↓日光二荒山神社で実際に確認できる化け灯籠と刀傷↓
まとめ
日光周辺ではよく山中などで古くなった灯籠が人を化かすとされていました。基本的には物を二重に見せたり、幻覚を見せたり、灯籠そのものが姿を変えたりなど、結果的に山中で人が迷ってしまったりしたようです。
対抗策としては落ち着いて見る、とか心を落ち着けて見るというざっくりとしたものです。
そこから考察すると、山中にあるという点からも低血糖からくる幻覚の類なのではないかと私は考えています。
実際に東照宮から二荒山神社まで歩いただけなのに結構疲れました。
日光二荒山神社に現存する化け灯籠は、神社の中にあって実際に話の通り刀の切り傷もあります。
実際に電気照明のない状態で、油を使って火で化け灯籠に明かりをつけたところを見てみたいです。
何か起こるのでしょうか。
妖怪イラスト、記事 / 妖怪画家ヨハク (YOHAKU Yokai Art)
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