白澤(妖怪事典)

Yokai Hakutaku Colored 妖怪事典
妖怪白澤 / 妖怪画家ヨハク

おじいさんの顔をした妖怪、白澤はくたく

ヨハク
ヨハク

こんにちは、妖怪画家のヨハクです!

私は妖怪や和のモチーフの絵やイラストを描いています。

今回は博識の妖怪白澤について調べてみました。

この妖怪白澤の外見は、人間の老人のような顔を持つ人面の山羊のような姿で、顔には3つの目、頭には2つの角があるといいます。 

白澤が他の妖怪を一味違うのが、頭の角や顔の三つ目以外にも体には左右に3つずつ、計6つの目があり、その上に4つの角(左右2本ずつ)があるとされている点です。

白澤は”はくたく” と読み、日本語では白澤と書きますが、白沢とも書きます。

Yokai Hakutaku Colored
妖怪白澤 ボールペン、Clip Studio Paint / 妖怪画家ヨハク

中国では瑞獣(ずいじゅう)という縁起のいい獣の一体として扱われていて、良いことが起こる前兆として現れるとされています。

ヨハク
ヨハク

縁起のいい存在だとしても流石に知らないで見たらぎょっとする姿です。

なかなか現れない白澤の話

中国の古い書物『三才図会(さんさいずえ)』によると、この妖怪白澤は現在の上海周辺のある特定の山に現れるとされています。

しかしこの妖怪との遭遇条件はかなり限定されていて、土地を治める王の徳が高い時、その山で、王の前にのみ現れる、とされています。

ヨハク
ヨハク

ゲームのキャラクターみたいな細かい設定ですが、縁起のいい獣ということでそう簡単には会えないようです。

天狗と白澤 デジタル画 妖怪画家ヨハク

白澤の言い伝え

白澤は万物(色々なこと)を知り人間の言葉を話すといいます。

また徳の高い王の前に現れた際は、起こりうる害悪や政治などについて助言を与えるとされています。

ある中国の皇帝が白澤に会ったとき、中国には11,520種類の妖怪がいることを伝えました。

また皇帝は絵師にそれらすべての妖怪を描かせ、人々に見せることによってそれら妖怪の害を未然に防ごうとしていたようです。

これら妖怪の絵は現在にのこっていないようですが、白澤より教えられたので『白沢図』と呼ばれていました。

ヨハク
ヨハク

この白澤の話や、悪い妖怪を食べる獏などの話がきっかけで、絵を見せると疫病を払うとされるアマビエなどの予言妖怪が日本に出現したのではないかと私は考えています。

妖怪アマビエについて見る(妖怪事典)

日本での白澤

三才図会によると、どうやら白澤はもともと白い獅子のような姿でしたが、日本に伝わったとき老人の顔とたくさんの目を持つ山羊のような姿に変わったようです。

ボールペンで描いた白澤 / 妖怪画家ヨハク

老人の顔をしているのは万物を知っているからで(昔の日本では神様は老人の姿で現れ、老人は知識の象徴だった)、目が多いのはあらゆる災難に対処する術を知っているからで、角はその権威を表しているから(昔から角は権威の象徴として描かれている)なのでしょう。

この妖怪白澤はまるっきり中国の妖怪だと思っていましたが、上記の姿が変わった話などを考えると中国が発祥ですが、日本独自の妖怪であることがわかります。

ヨハク
ヨハク

このように中国から輸入されてやや本家と違う設定になった妖怪は他に何体かいますが、有名なものだと夢を食べるという妖怪 獏(ばく)もそのうちの一体です。

妖怪獏についてもっと見る(妖怪事典)

日本では白澤はその獏とも混同されていたようで、災いを避けるための縁起物としてその絵や像がお守りとして広まっていたようです。

東京にある天恩山五百羅漢寺にある獏王という像も白澤の形をしています。五百羅漢寺のホームぺージのギャラリーを見たら、白沢(獏王)と記述がありました。

また、病気を防ぐという言い伝えから薬屋によく飾られていたようです。

まとめ

妖怪白澤/白沢(はくたく)は中国発祥の妖怪で、妖怪というよりはむしろ瑞獣(ずいじゅう)という、良いことが起きる前兆として現れるラッキーな存在です。

しかし中国の三才図絵によると、徳の高い王がある山に行かないと出会えないというゲームキャラクターのような出現条件があります。

しかし出会うと様々な厄災や妖怪の話、またその対処法を教えてくれるので、当時の白澤と会ったという王は絵師にそれら妖怪の絵を描かせ、人々に見せて未然にその被害を防ごうとしたようです。

この時に描いた絵はのこっていませんが、白澤に教えてもらったので『白沢図』と言われています。

日本に白澤の話が入ってきたときは災いを避けたりだとか、病気を避けるだとかの縁起物としてその絵や像がお守りとして広まっていたようです。

ヨハク
ヨハク

なので妖怪というより中国では瑞獣と言っていたように、麒麟や鳳凰のような聖獣に近いものなのでしょう。

妖怪イラスト、記事 / 妖怪画家ヨハク (YOHAKU Yokai Art)

コメント

タイトルとURLをコピーしました