
こんにちは、存在しないモノを描いている妖怪、洋伯(よはく)です。
私は普段、存在しないモノをキャラクター化したり見たことのない世界を創ったりしています。
今回は東北地方の妖怪、細手についてのお話です。

この妖怪細手はその名の通り、細い手を持つ妖怪です。
細い手を持つ妖怪とはいえ、細手は手しか見えないので本体があるのかどうかは実はわかりません。
この妖怪にはいくつか話があるようで、赤い子供のような手をしているとか、白い細い手をしているとか言われているようです。
唯一色々な話で共通しているのは、腕が異常に長いということです。
なのでこの妖怪細手は「細腕長手」とも呼ばれています。
妖怪細手の話
ある日、岩手県遠野市の一軒家に一人の男が泊まりました。

遠野市といえば妖怪で有名なところですね。
その夜、男が寝ようとすると隣の部屋の襖の隙間から細長い手が伸びてきて、男を招き入れるような仕草をしたのだそうです。
どうやらその手が出てきた隣の部屋というのは仏壇や神棚が祀られている部屋、いわゆる仏間でした。
そして男が家を出たすぐあとに津波が押し寄せ、その家の主は家と妻子を失ってしまったといいます。

家の人ではなく泊まった人だけを助けるというのは一体どういうことなのでしょうか??
ちょっと意味がわかりません。。
妖怪細手の他の話
うえの細手の話があった村と同じ村のある家の話です。
ある日、その家の人が和室にある長押に細くて長い赤い手がぶら下がっているのを発見したといいます。

長押とは和室の鴨井の上にある横木のこと(下の写真参照)です。 私も実家にありましたが、なげしと読むとは知りませんでした。。。
よくハンガーで服とかをかけていました。

赤い手は三歳の赤ん坊くらいの大きさだったらしいですが、腕の長さは二尺(約60センチ)ほどあったといいます。
植物のつるのようだったというくらいなので、とりあえず細長かったのでしょう。
そしてその手を見た後、この人の家や蔵も津波で流され、すべてを失ってしまったといいます。

妖怪細手は津波が来るのを知らせてくれるのでしょうか、、。
妖怪細手とは?

うえの2つの話からも、この妖怪は良い妖怪とされているようです。
その理由は、津波を知らせてくれたこと、仏壇と神棚のある部屋から手が伸びていたことです。
妖怪細手が神の化身、あるいは先祖の霊で、災害を事前に知らせてくれたという解釈のようです。
興味深い話があるのですが、英語で言うところ怪物であるモンスターの語源は”予兆”という言葉が由来になっています。
日本の妖怪も多くが現れることが不吉の予兆とされていて、妖怪それ自体が悪ではない場合もあります。

SF映画のせいだと思いますが、モンスターを言えば人をおそう存在ですが、もともとは不吉の予兆としてあらわれる存在で、モンスター自体が暴れるわけではないようです。
よく地震のまえに深海に棲むリュウグウノツカイが浅瀬に現れたりしますが、そういう感じなんでしょうか、、、。 以上余談でした。
悪いことを避ける手助けをするという点では、同じ遠野には座敷童という妖怪がいますが、同じような妖怪と考えられているようです。
見た目は変ですが、妖怪というより神様や幽霊に近い存在なのかもしれません。
妖怪細手の話には、その手をつかんでみた、とか手をたどって正体を見たというものはないようです。
そういった話をご存知の方は教えてください。

もし私がこの妖怪を見かけたら、ちょっと気持ち悪いけど絶対に掴んでみようと思います。
記事/イラスト: 洋伯(よはく)



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