
こんにちは、存在しないモノを描いている妖怪、洋伯(よはく)です。
私は普段、存在しないモノをキャラクター化したり見たことのない世界を創ったりしています。
私はいつも万年筆で絵を描いています。今回はメンテナンスが必要な万年筆の洗い方について書いていこうと思います。
私は普段妖怪の絵を描くときに万年筆で線を引き、透明水彩で着彩するInk & Watercolorという描き方で絵を描いています。

万年筆を使って絵を描いている理由
以前はアクリル絵具や油絵具、日本画などの画材を使って描いていましたが自分が好きなのは漫画のような線画がはっきりしていて着彩してあるものが好きだったので今の万年筆で線を引き透明水彩で着彩をするInk & Watercolorという技法になりました。

私はキャラクターをよく描くので、万年筆はその中にキャラクターが潜んでいて、描いたときにキャラクターが中から飛び出してくる、そんな気持ちで絵を描いています。
そういった感覚的な理由以外にも万年筆を使っている理由はいくつかあって、万年筆はまず携帯してどこでも絵が描けるということ、そしてつけペンと違いインクを何回もつけなくていいのと、ペンポイントと言ってペン先に金属がついているので紙に描くときにつけペンのように引っかからないこと、またペンと違ってインクがなくなるごとにペン自体を買い足さなくていいことなどが挙げられます。

私にとって万年筆を持ち歩く=育てられるモンスターボールに自分のキャラクターを入れて持ち歩いている感覚 です笑


あとは単純に万年筆が好きというのと、結局インクと万年筆だけでストックを持つ必要がないので物を増やしたくない私としてはうってつけの画材です。
線画を描く際にペンや筆など色々使ってきましたが、やはりどこでも描くとなると筆は使いづらいしペンだと味気ないので万年筆にしたのですが、描き心地が一番気に入っています。
使ったことがないと手を出しづらい万年筆ですが、一生使える文房具ですので文字を書く人はもちろん万年筆で絵を描いてみたいよって人の不安な箇所が少しでも減ればいいなと思い、普段私がやっている万年筆の洗い方、お手入れ方法を紹介していきます。

特に私のように線画の上から水彩やアクリル絵具、マーカーで色を塗りたいという人は耐水性のある顔料インクで描く必要がありますが、顔料インクは詰まりやすいのでメンテナンス必須です。
絵を描くときに使っている万年筆
私が普段使っている万年筆は100%海外製のものでポケットサイズが多いです。ポケットサイズの万年筆の唯一のデメリットはインク容量が少ないことでしょうか。
主にカートリッジタイプのものを使用しています。

万年筆のインクの入れ方にはカートリッジやコンバーターを挿すタイプ、ペンに直接インクを入れるアイドロッパー、また吸入機構がペンについている吸入型とバキューム型がありますが、私はカートリッジとアイドロッパーしか使ったことがないので今回はカートリッジタイプとアイドロッパーの洗い方になります。


注意してほしいのが、私が普段行っているメンテナンス方法はメーカー推奨ではなく自己責任にて分解洗浄を行っていること、またペン先が安価に交換可能なものを使っているので間違っても壊れたら困るような高価な万年筆で実施しないようにしてください。
とは言え、これから紹介する万年筆のようにあるメーカーのペン先が使えるものであれば安くはないですが交換可能になるので万が一失敗しても問題ありません。

脅かすようですが、私は一度も壊したことがないのでよっぽど不器用でなければ大丈夫かと思います。この記事を読んで壊れたときの責任がとれないので書いています。
万年筆というかペン先の話になるのですが、主に海外製の万年筆は多くの場合自社製ではなくて2つのメーカーのペン先を使用しているものが多く、私は主にJowoとbockの2社のペン先を使っている万年筆を使用しています。

特にjowoに関しては私の好みのデザインの万年筆で使われていることが多く、色々なペン幅のペン先を持っています。また様々な材質のペン先を使ってみましたが、使い心地からスチールのニブのものを使用しています。
違うメーカーの万年筆でもペン先が同じであればスワップ(交換)して装着することができます。


スチールニブは万年筆界隈ではいわゆる鉄ペンと言われているやつで一番安いやつです。
ちなみにめちゃ高い金を使ったニブとかは軟らかく壊れやすいので気を付けてください。ちなみに私は金のニブも持っていますが、柔らくて絵を描くときに使いづらかったので使わずに飾ってあります笑
万年筆の構造と洗い方
まず洗うためにコンバーターと、カートリッジを洗いたい人は100均に売っている注射器のような液体注入できるやつを用意します。※注射器はカートリッジを洗わない人は必要ありません。ちなみに100均の化粧品関連コーナーにありました。

万年筆は基本的にインクをためる部分(今回はカートリッジかコンバーター)からペン先の中をインクが毛細管現象によって染みてペン先に送られて字が書けるという単純構造になっています。

アイドロッパー型はカートリッジがなく本体に直接インクを入れるタイプになります。
毛細管現象というのは細い管などで自発的に液体が移動する現象のことで、スポンジやティッシュに水が染み込んでいったり植物が根から水を吸うのも同じ原理になっています。
つまり万年筆は謎に値段が高いですが、描画する機能は基本的にペン先とカートリッジだけで完結している単純構造になっています。

なので洗うのは毛細管現象が起きているペン先の洗浄のみになります。

万年筆は長く使わない時期がある場合や、しばらく使い続けたときに一旦洗います。
私の場合は常に万年筆で絵を描いているので、ニブが汚れたり、何となくインクフロー(インクの出る量)が変だなと思ったときに洗っていて特に定期的にメンテナンスとかはやっていないです。
多くの万年筆のメンテナンス系の記事を見ていても、毎日使うこと、と書いてあるのを見ましたが、確かに毎日使っているとそんなに詰まったりはしない気もします。
ただ顔料インクを使う場合は染料インク粒子が大きく固まると耐水性になって溝が埋まってしまうため、少しでも描き味が変わってしまったり様子が変になったら洗うようにしています。

とは言っても基本的には1か月に1回洗うか洗わないかくらいです。私は気にして洗っていますが、詰まったことはないので意外ともっといけるかもしれません。
よく国産のものを見ていると専門店で洗浄を依頼してください、とか分解せずにインクの代わりに水を入れたり出したり程度の洗浄で済ませてくださいなど分解を非推奨にしていますが、jowoとbockは分解が簡単で分解すると上記したような水を入れるだけの洗い方では全然インクが洗えていないことに気が付きます。
特に私は耐水性の顔料インクを使用しているので、ペン先の中に少しでもインクが残っていては致命的なダメージになりかねないので分解して洗っています。
それでは洗っていきましょう!
※手がびしょびしょになったりインクがついたりで撮影が難しかったので綺麗な万年筆で説明していきます。

カートリッジ、コンバーターを取る
まずは万年筆のペン軸を分解してカートリッジ、もしくはコンバーターをとります。
ペン先部分にはまっているだけなので引っ張るととれますが、勢いよくとるとインクが飛ぶかもしれないので少しねじりながら取ります。



私はインクが手につくのが嫌なので汚れそうなときは必ずキッチンペーパーなどで包みながらやります。ちなみに布やティッシュは繊維が入りこむので非推奨です。有隣堂のおすすめでやっていたキムワイプという商品も良いようです。
私はカートリッジの方が容量が多いのでカートリッジを使用していますが、繰り返し使っているのでこちらも一緒に洗ってしまいます。
インクが特殊でない限り、水道水で洗ってしまって問題ないかと思います。
以前”超黒”というすごい黒いインクを使っていましたが、洗浄に必ず精製水を使用しないといけない点と、滅茶苦茶黒いですが若干水に溶けたり、上から消しゴムをすると黒くなくなってしまったりという点が気にくわなくて使用をやめてしまいました。

いまはプラチナのカーボンインクのブラックを使用しています。

ペン先を外す、水で流す
次に万年筆のペン軸からペン先を外します。
万年筆のニブ部分を持って回して外すしかないのですが、この時の注意点としてはニブの丸く穴があいている部分や分かれているスリット部分に指が触れるとインクがつくので、根本部分を持って回すという点です。


面倒なときはキッチンペーパーを厚くたたんで持ってから回してとるときもあります笑
次にペン先にコンバーターをつけて、瓶などに水をためて沈め水を入れたり出したりをして水が濁らなくなるまで繰り返します。
この時ニブが刺さっている軸の部分まで水に入れないと水が吸えないのでちゃんと水に沈めてください。

瓶の水を入れ替えながらコンバーターで水を入れたり出したりを繰り返していると、瓶の水が汚れなくなって吸った際もコンバーター内の水が透明になっていきます。

ここまではメーカーなどでも説明している洗浄方法になりますが、ここからがメーカー非推奨自己責任の洗い方になります。
ペン先を分解して洗う
コンバーターを使ってペン先内部からインクが出なくなるまで水を出し入れしたあと、ペン先を分解して洗います。

万年筆では一般的な染料インクの場合は耐水ではないので分解しなくても問題はなさそうですが、私は顔料インクを使用しているので分解して洗っています。また繰り返しになりますが、自己責任にて実施をお願い致します。
ニブとフィードを持って引っこ抜きます。

が、個体によってニブが何かで接着されているのか、抜けづらいものもあるので毎回万年筆やペン先を買ったときに使用前に引っこ抜いて洗浄時に外せることを確認してから使用しています。
顔料インクだけなのかどうかは不明ですが、先ほどコンバーターで水を入れたり出したりした際に水が汚れなくなったにも関わらず、分解するとニブ内側とフィード部分にインクがまだ残っているのが確認できます。
上の写真で言うとフィードと金属のニブにインクがベッタリ付いています。

海外のサイトで万年筆の洗い方について調べている際に顔料インクの場合はペン先を分解して洗っていたので参考にしました。一度分解するとインクが残り過ぎているので怖くて毎回綺麗に洗っています。
ここを水で流してキッチンペーパーでインクをふき取ります。
繰り返しになりますが、繊維が入りこむとつまりの原因になるので必ず繊維が出ないもので拭いてください。ティッシュは絶対に使わないでください。
乾かしてもとに戻す
そのまま使う場合は繊維の出ないキッチンペーパーなどでふき取ってインクを入れて使ってしまいますが、そのまま休ませる場合は必ず分解したまま乾燥させます。
特にフィード部分は細かい隙間があって濡れているのでしばらく置いて乾かします。
乾いた後は万年筆のペン軸にペン先を戻します。

jowoとbockで少し違うのですが、ペン先を元に戻す際に壊さないように注意してください。
jowoはカートリッジ接続部分が斜めなっているので、斜めの方を上にしてフィードとニブを戻します。bockはカートリッジ接続部分が斜めになっていないのですが、中の突起がフィードの下の溝がに合う部分があるのでそちらに合わせます。外側にマークがあるので中と両方見て合わせることができます。


はめ方は両方同じで、ニブをフィードに重ねた状態で上記したことに注意して合わせたら軸に突っ込みます。
先にニブを押し込んでからフィードを置くまで入れます。


この際にニブの穴からフィードの線が真ん中にきてスリットに合う用にしないとインクフローが悪くなったりするので注意です。


さあこれですっきりピカピカです!
まとめ
線画を描いている人で万年筆を試してみたい人の為に万年筆の洗い方、メンテナンス方法について私がやっていることを紹介してみました。万年筆はちゃんと洗っていれば壊れずに一生使い続けることができる相棒です。

母から受け継いだ万年筆も持っていますが、それも祖母から受け継いだものでまだ全然使うことができます。
なんかインクの出が悪いな、とかペン先がインクで汚いな、という感覚で洗えば問題なく使えているので、そんなに頻繁にメンテナンスが必要と言うわけでもないので楽ちんです。
使い捨てのペンを使ったり、つけペンのように何度もインクをつけたりせずとも絵を描き続けることができるのでエコや作業効率の観点でもよい気がします。

私は職人っぽいのが好きなので、道具(万年筆)を有機物的に扱って育てて気持ちを込めて絵が描けると思っています。
私のように線画の上から水彩などで着彩したい人は耐水性の線を引く必要があるので顔料インクを使うかと思います。顔料インクは染料インクに比べて粒子が大きいのと耐水性なので乾くと万年筆がつまりやすいので、今回紹介したペン先の分解を行って綺麗に掃除しましょう。

とはいえ、繰り返しになりますが、ペン先の分解はメーカー非推奨ですので自己責任にて分解、洗浄の実施をお願い致します。
万年筆をメンテして楽しく絵を描きましょう!!
記事/イラスト: 洋伯(よはく)



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