構図をイラストに使ってみよう

画面の使い方と背景の模様などでキャラクターの雰囲気を操ることができることを説明したイラスト。崖の上にキャラクターが立っている 妖怪画家ヨハク 妖怪絵日記
構図を使ってイラストを描こう
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構図をイラストに活用しよう

洋伯(よはく)
洋伯(よはく)

こんにちは、存在しないモノを描いている妖怪、洋伯(よはく)です。

私は普段、存在しないモノをキャラクター化したり見たことのない世界を創ったりしています。

Kaizojiji
妖怪改造ジジイ / 洋伯(よはく)

私はイラストを独学で描き始め、勉強をせずにイラストを描き続けた時期がありましたが、まったく上達しませんでした。

それはイラストは知識がないとできないことが沢山あるからです。

構図という言葉は聞いたことがあるとは思いますが、構図をどうイラストに使うのかは知らないとわかりません。

私は構図はイラストをかっこよく見せる為のキャラクターなどの配置のこと、程度にしか思っていませんでした。

洋伯(よはく)
洋伯(よはく)

実はイラストに構図をうまく使うことによって、そこにストーリーを感じさせることができます。

イラストは一枚絵なので一枚でストーリーが分からないといけません。

もちろんイラストを沢山使う絵コンテや漫画でも構図を使うことによって状況がかなり分かりやすくなります。

映像も同じで、撮影が素人のユーチューバーの映像には素人感があって、監督が撮った映画が何気ないシーンでもカッコイイと感じるのは構図を考えて利用しているかどうかで違いが出ています。

構図を使わないとどうなるのか

私はイラストをはじめたころに構図という知識がなかったので、好きなようにキャラクターを描いていました。

このころの練習は細かい部分を描く練習にはなっていましたが、正直上手くなっている実感はありませんでした。

なぜなら、カッコイイ龍や、戦っている人物などの絵を好きなように描いただけのイラストでは、かっこよく見えないからです。

The Dragon Tamer
昔描いたものですが、このようにただ描いただけではキャラクターの良さがでていません。
洋伯(よはく)
洋伯(よはく)

私の場合は特に深く考えず、遠くからキャラクターを眺めているだけのようなイラストしか描いていませんでした。(図鑑のイラストのようで退屈です)

自分で描いたので描き終わったあとは満足ですが、時間を置いて見るとかっこよくは見えません。

この様に描いても時々偶然かっこよく描けますが、次描いたときはダメだったりとイラストの完成後のクオリティが全く安定しませんでした

またお客様からの依頼で、か弱い感じにしてほしいとか、強そうなキャラクターにしてほしい、などの依頼に対して、私は描き分けが出来ませんでしたし、出来ても時間がかかってしまいました。

洋伯(よはく)
洋伯(よはく)

構図について知った後は安定して狙った印象をイラストに吹き込むことが出来るので、安心して下書きから塗りまで制作できます。

構図をイラストに使えるようになる前は、下書きでは完成後の印象まで分からなかったので塗りがある程度終わるまで良いイラストが出来ているかどうか分かりませんでした。

構図について知るとイラストの下書きの時点で完成が見えるようになります。

いまでは構図を考えずにイラストを描くことはありません。

構図を使ってキャラクターに役を持たせる

構図を使ってイラスト内のキャラクターに印象を吹き込み、役を割り当ててみましょう。

一つ目小僧とデシを使ってやってみます。

hitotsume_deshi
一つ目小僧とデシ

構図を使って強そうな敵の印象にする

強そうな敵のイラストを構図を使って表現してみます。

一つ目小僧とデシはこのままでは可愛らしいだけで強そうではありません。

上のイラストの様にただ並んでいるだけでは友達か何かにしか見えないので、少し構図を変えて見てみましょう。

Strongenemy
強そうに見える一つ目小僧とデシ

なんだか強そうに見えます。

2.5頭身くらいしかなくても強そうです。

洋伯(よはく)
洋伯(よはく)

つまりキャラクターのデザインではなく、構図によって強そうな印象のイラストになっていることが分かります。

これは数個の構図の技をイラストに使って強そうに見せています。

下から見上げるようにする(アオリ) 

使っている構図の技1はアオリです。

アオリとはカメラがあるとしたら下から上に向かって撮影しているようにイラストを描く構図です。

洋伯(よはく)
洋伯(よはく)

強いキャラクターは他のキャラクターの上位にいますが、実際の構図でも上の方にいるようにして見下ろさせると強そうに見えます。

私はこれを知った時に嘘だと思いましたが、実際にそう見えてしまうので不思議です。

映画やアニメなども注意して観てみると、強いキャラクターは基本的に登場シーンなどでは上から見下ろしているところが多いです。(見下ろしている顔のアップだけの場合も多いです。)

洋伯(よはく)
洋伯(よはく)

ある美術の本にはヤンキーが顎を上げて威嚇するのは、相手を見下ろすポーズをして自分の方が上であると示すポーズだと書いてありました。ヤンキーはとても動物的なようです。

斜めにする

使っている構図の技2は斜めにする、です。

この構図の技はイラストが強そうに見えるものというよりかは、強い人と対峙している人(絵を見ている私たち)の精神状態を操作する技になります。

イラストの内容を斜めにする構図にすると、見た人は不安定な構図を見て気持ちも不安定になります。

洋伯(よはく)
洋伯(よはく)

人間は不安定なものを見ると脳では、ハラハラしたり、安定するにはどこに動くだろうと自動で考えてしまいます。

その結果、見ている人に不安定な感情を抱かせることが出来ます。

こういったアオリの構図に更に斜めの構図をイラストに使うと、レベルの高い人からプレッシャーを感じているような不安を感じる絵になります。

なのでアオリと斜めの構図を使うと、強そうな敵が出てきて不安に感じているような錯覚を起こさせることができます。

洋伯(よはく)
洋伯(よはく)

では斜めにしないとどうなるか見てみましょう。

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水平にすると安定するので、敵に見えない

水平の構図はイラストの印象が安定するので、心の不安定感はなく、師匠が見下ろしているかのような安心感があります。

アオリ構図なので強く見える点は変わりません。

洋伯(よはく)
洋伯(よはく)

斜めにして落ち着かない~という心理を使って

→絵に動きをつけることもできます。

視線誘導

使っている構図の技3は視線誘導です。

三分割法という構図の技を使ってキャラクターに視線が行くようになっています。

これは有名な構図の技なので知っている人も多いと思いますが、人の視線がいきやすいところにキャラクターを設置することによって、自然にイラスト上で視線誘導をしています。

三分割法はイラストを三等分する線を上下左右に引いた時に、その線上を視線が行きやすいことを利用した構図の技です。

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画面を三分割にした線上に視線が行きやすい。

三分割法によって視線が自然に誘導される場所にキャラクターを配置、さらに補助的に背景の雲やモヤモヤの形をキャラクターに向かうように配置して、外れた視線が再びキャラクターへ向くように誘導をしています。

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雲が生み出す線がキャラクターに向かっています。

なぜキャラクターに視線を誘導するのか。

強いキャラクターには視線を集めるような存在感があるはずです。

洋伯(よはく)
洋伯(よはく)

その存在感を視線誘導によって演出する必要があるからです。実際に存在しないものは他の技法で表現するしかありません。

またかっこよくて強そうなイラストを描いても、見づらい構図では意味がありません。

三分割法はこの絵を見やすくしています。

洋伯(よはく)
洋伯(よはく)

三分割法は写真を撮影するときなどにも使えるので便利です。

さらに構図で未知の強さを感じさせてみる

今のままでも強そうに見えるイラストになりましたが、更に未知の力を持った強大な敵に見えるようにしてみましょう。

Strong enemy mysterious
ミステリアスな雰囲気の強そうな敵

一気に不気味な感じがしてきました。

先ほどの構図のイラストと違う部分はどこでしょうか。

斜めの構図を使うと、見ているこちらの感情を不安定にすると言いましたが、更に不安になる構図の技を使っています。

このイラストに使っている技は、重いものを上部に配置する、という技と、下からのライティングです。

洋伯(よはく)
洋伯(よはく)

ここで言う重いものというのはイラストの中で存在感のあるもの、このイラストの中では上部の黒い部分になります。

白黒のイラストでは視線誘導の構図も無視できるくらい、黒いものは存在感が強いです。

それをイラスト上部に配置する構図にすると、人間はものが下に落ちるかもしれない、と思うときに似た不安感を感じます。

また下からの逆さのライティングは、普段モノを見ている時と違うライティングにすると不安を感じるので、それを利用して更に不安感を煽っています。

怖い話やお化け屋敷などで下から光を当てているのもこの技を使っています。

強そうなキャラクターに更に不安感を感じる構図の技を足すと、更にミステリアスに感じるようなイラストになり、未知の強大な敵の存在を感じさせることができます。

まとめ

イラストを何も考えずにひたすら描く練習をしていると、ある程度のイラストは描けるようになりますが、上達しなくなるレベルがあります。

上達しなくなる、というよりかはイラストのクオリティや、イラストが持つ印象をコントロール出来ていないことに気づくと思います。

私は毎回下書きの描き始めと、本描きで色を塗った時にイラストの印象が変わってしまうことが沢山ありました。

洋伯(よはく)
洋伯(よはく)

鉛筆の下書きの時は恰好良いんだけど、と何度も思ったことがあります。

構図について考えてからイラストを描いたり、構図の技を駆使してイラストを描けば、下書きの時点でそのイラストが見た人に与える印象や、イラストのストーリー性を感じる状態で描きはじめることができます。

良い構図をイラストに使えば下書きから不安なまま本描きをすることはもうありません。

自分の独自のカッコイイ構図を見つけてみたいですね!

上手くイラストが描けると描くのがまた楽しくなってしまいます。

構図を使えばイラストのレベルがぐっと上がると思います。

Hitotsume-deshi-colored
構図を使ってイラストを描こう

記事/イラスト: 洋伯(よはく)

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