アクリル絵具の利点であり欠点

こんにちは、存在しないモノを描いている妖怪、洋伯(よはく)です。
私は普段、存在しないモノをキャラクター化したり見たことのない世界を創ったりしています。
私は様々な画材を使用して絵を描いてきましたが、多くの作品をアクリル絵具で描きました。


アクリル絵の具で着彩、顔料インクで線画 /水彩紙
アクリル絵具は発色もよく色々な物に描けるし、水で溶いて簡単に使えるため便利な画材です。
しかしアクリル絵具は、これは欠点でもあり長所でもあるのですが、乾燥するのが滅茶苦茶早いです。

アクリル絵具の使い方に慣れてくれば更にドライヤーで乾燥を早めたりして制作スピードアップになります。
しかしアクリル絵具を使いはじめの頃は乾燥が早すぎて絵具が無駄になってしまったり、混色に失敗したり、数日にわたって制作できなかったり、、。

絵を描き始めた頃はアクリル絵具の乾燥の早さのメリットより問題の方が多かった記憶があります。
そこで10年以上毎日アクリル絵具で絵を描いてきた経験から、アクリル絵具の乾燥が遅いスペシャルパレットの作り方をお伝えします。(秘密ですよ~)
アクリル絵具の乾燥は早い

アクリル絵具を使っている人の多くは、数日間同じ絵具を使うために霧吹きで水をかけてラップをかけてアクリル絵具が乾燥しないようにしているという方法をとっている人が多いように思います。
しかしこれでは、ラップがちゃんとかかっていなかったり、水分が十分でなかったり、明日制作しようと思っていたのに3日も空いてしまった、といったアクシデントでアクリル絵具は簡単に乾燥して固まってしまいます。
初心者向けのアクリル絵具の本などには、使い捨てのペーパーパレットで描いてその日にパレットを捨ててしまうということを勧めているものが多いです。
実際私も使いはじめの頃はそうしていました。
確かにアクリル絵具は定着力が高いし乾燥も早いので洗わずに捨てるだけなのはとても楽です。
しかし、、、

絵具がもったいない!!!!!!!!
しかもアクリル絵具を使いはじめた頃は、どれくらいの絵具の量が必要か分からず、パレットに出しすぎてしまった記憶もあります。

もし描いている間に絵具が足りなくなったらどうしよう、、。
アクリル絵具は少しだけ出すと乾燥も早いし沢山ださなきゃ、、。
などと考えて大量にパレットに出しては乾燥させて、大量にアクリル絵具を無駄に消費してしまった経験が沢山あります。
しかしアクリル絵具の長所である乾燥の早さを無駄にせずに、パレット上では乾かないというアクリル絵具のポテンシャルを最高に引き出すことの出来るスペシャルパレットをついに見つけてしまいました。
ウェットパレット
パレット上でアクリル絵具のような水性塗料を長時間乾燥させずに使うにはウェットパレットというパレットを使います。
ウェットパレットとは英語のwet(濡れているという意味)の字の通り、濡れているパレットという意味です。
またウェットパレットという商品を買うのうではなく、ホームセンターやスーパーなどで買えるもの、もしくは家に既にあるもので作ることができます。
それでは早速作ってみましょう。
ウェットパレットの作り方
用意するもの

・タオルなどある程度保水出来るもの(キッチンペーパーでもいけました)濡らした時に上の面が必ず湿っている状態になるもの。私はニトリのセルローズ吸水マットを使っています。
・クッキングシート(重要なアイテム)
・タッパーや料理用バットなど底が平らで少し深さがあるもの。出来れば蓋があるもの(蓋は無くてもOK)私は13 x 20cm 深さ3cmのタッパーを使っています。
作り方
まずはそのタッパーやバットの底にピッタリ合うようにタオルなどある程度保水できるものをカットして中に敷きます。

ポイントは敷いた際に平になるように、しわにならないように敷くことです。
底に保水性のあるものを敷いたら水で完全にしめらせます。水は保水の限界まで染み込ませます。
以前大きいスポンジをカットして使っていましたが、水がスポンジの底に沈んでしまって上部が乾燥してしまうので使えませんでした。
保水性のあるものは、濡らした時に上の面が必ず湿っている状態になるものを使います。
そこにクッキングシートを適宜カットして敷きます。
表裏はないので気にしないで大丈夫です。

下の保水性のあるものに密着するように敷くのがポイントです。

私はよく押してすりすりしてクッキングシートの裏側が湿ったようにします。
浮いてしまうとアクリル絵具は乾燥してしまうので注意です。
これで完成です。
ウェットパレットの原理
ウェットパレットの原理は、クッキングシートの特性を活かしたものになっています。
クッキングシートは料理の際によく使いますが、水分はよく通して、それ以外は通さないという特性を持っています。
なので保水性のあるものを濡らしてその上に敷くと、クッキングシートの上のアクリル絵具には水分が下から保水されて乾燥せず、アクリル絵具はクッキングシートの下に染みることも、くっついてしまうこともありません。
ウェットパレットの注意点
ウェットパレットはクッキングシートの特性を活かしてアクリル絵具に水分を補給して乾燥を遅らせるものです。
なので直接クッキングシートの表がアクリル絵具と、裏が水分に触れている必要があります。
流石に風や太陽光がパレットに直接当たる状態だと、アクリル絵具の上部が乾燥して固まってしまうのでウェットパレットを置く場所には注意です。
また乾燥している日や熱い日などは、パレットの水分が蒸発してしまうので時々クッキングシートをめくって水を足すと良いです。
常に下は濡れている状態で、クッキングシートがそれに密着している状態をキープしてください。
とは言ってもそんなにすぐ乾燥するものではないので、アクリル絵具が少し固まったなぁと思ったら水を追加、絵具の表面も霧吹きなどで水を吹きかければ柔らかくなります。
絵を中断するときはタッパーの蓋をしめたりラップで蓋をしておきます。
ウェットパレットは上手く使えばアクリル絵具を乾燥させることなく1週間以上持たせることができますが、夏場は1週間もするとカビが発生するので注意が必要です。

私は片づけるのを忘れてタッパーにカラフルなカビが生えたことがあります。
なぜリターダーを使わないのか
よくアクリル絵具のパレットを乾燥させない方法でリターダーという乾燥を遅らせるメディウムをオススメする人がいますが、私はオススメしません。

リターダーはアクリル絵具がすぐに乾燥してしまうところを、絵具に混ぜることによって油絵具のように乾燥を遅らせるものです。
しかしそれは主に画面上で塗りながら色を創る時の話なのと、わざわざパレット上ですべての色にリターダーを混ぜるのはとても面倒です。
なので綺麗に広い面をフェードで塗ったりなどの技法で使う以外のリターダーの使用をオススメしません。
私は油絵具も使っていたので、乾かない混ぜやすさは素晴らしいですし、きれいに混色できるのでリアルな絵にお勧めです。


もしアクリル絵具を使う際にリターダーを必ず使う場合は使う画材を見直した方がいいかもしれません。
アクリル絵具ではなく油絵具を使った方がいい気がします。
油絵具はいう程高くありませんので乗り換えもありですね。
まとめ
アクリル絵具をパレット上で長時間乾燥させないようにするにはウェットパレットが楽で便利です。
ウェットパレットはタッパーやバット、キッチンペーパーやタオル、クッキングシートがあれば作れます。
キッチンペーペーやタオルを濡らしてタッパー等に敷き、上にクッキングシートを密着させて敷けばウェットパレットの完成です。
これでアクリル絵具の乾燥を遅らせることができます。
タッパーの蓋を閉めれば1週間くらいは持ちますが、夏場はカビの発生に注意しましょう。
リターダーを使って乾燥を遅らせる方法もありますが、毎回技法以外でリターダーを必ず使わなければいけない人はアクリル絵具ではなく乾燥の遅い油絵具がお勧めです。
記事/イラスト: 洋伯(よはく)



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